― 発災十三時、社長は圏外 ―

震度7。停電。電話は繋がらない。
判断を求めるカードが、机に積まれていく。
所要10分。答え合わせはありません。
事例は三つ。開始のたびに一つ配られる。

昼休みが明けた直後、突き上げる縦揺れ。立っていられない横揺れが続いた。震度7。
揺れが収まって10分。点呼と避難はどうにか済んだ。停電で基幹システムは沈黙し、窓の外、湾岸の方角に煙が見える。
あなたは総務部長・佐伯。
社長は今朝から空路で九州へ出張。電話は10回に1回も繋がらない。地震対応マニュアルの代行順位により――
あなたが、危機対策本部長代行。
これから届くカードに、その場で判断を下してください。朱色のカード(照会)には制限時間があります。迷っている間も、時計は進みます。
日没。発災から三時間半が経過した。

今日あなたが一人で受けたカードを、実際の演習では貴社のチーム全員で受けます。班に分かれ、情報を集め、共有し、基準を作る――元陸将の統裁による図上演習(120分)です。